日々、撮りたいものを撮り、撮りたくないものは撮らない…
シャッターを押した瞬間までは、この写真がどう伝わるかすら考えずに撮影してきました。それは、すでに頭が知っていることであり、意識したり言葉にすれば囚われる。そういう思いもあるからです。
撮影した写真を遡り、徐々にそれらの写真から、キーワードとなりうる「言葉」が浮かんできます。この段階でようやく、自分がやりたかったことに気付き始めるのです。
現場に立ち撮影した自分と、そこにはいなかった伝えたい方。それぞれが、それぞれの記憶によって思い起こされたことで共感や理解を共有することを目指しています。
写真という、一つの先入観の中で、ときに、それを騙し崩し、ときに、当たり前のように振る舞う。何が正しくて、何が正しくないかということから離れた、多様性の中で、矛盾をも許容した作品を、作っていきたいのです。